万博アリーナ整備に関する本市の諸課題について
問(林):
現在、大阪府として大規模アリーナを中核とした万博記念公園駅前周辺地区活性化事業が進められております。
万博公園周辺地区は、現状、70年エキスポの象徴である万博記念公園だけでなく、ガンバ大阪の本拠地パナソニックスタジアム吹田や大型商業施設エキスポシティなどがあり、誰しもが認める府内屈指のにぎわい創出の高いポテンシャルを持つエリアです。
ところが、この地区は交通環境が非常に脆弱で、過去から、公園内で大規模イベントを開催するときや、スタジアムで試合開催のときには万博外周道路はもとより大阪中央環状線など、その周辺道路まで大きな影響が出ており、このことが周辺住民の不満となっております。
万博記念公園駅前周辺活性化事業が順次進み、大規模アリーナが完成したときには、さらなる混雑が懸念されます。
このことに関し、都市計画部は大阪府と具体的にどのような協議を行っているのでしょうか。
答(都市計画部長):
万博記念公園駅前周辺地区活性化事業に伴う交通問題につきましては、かねてより地域の方々から御心配のお声をいただいているところです。
当該地区における交通対策につきましては、事業予定者が策定する事業計画案を踏まえ、住民の声をしっかりと聞きながら、大阪府が中心となって進めていくとのことであり、本市といたしましても、当該事業による交通への影響を十分に調査検討した上で有効な対策を講じるよう、大阪府や事業予定者に求めているところです。
問(林):
昨年末にサマーソニック2024が、本年8月17日、18日の二日間で博物館、申し訳ありません、万博記念公園にて開催されることが決定いたしました。
ここで少しサマーソニックのご説明をさせていただきたいと思います。
サマーソニックとはサマソニの愛称で親しまれる毎年8月中旬の二日間に千葉と大阪で開催される都市型ロックフェスティバルで、日本人アーティストだけでなく、諸外国の有名なアーティストが参加する日本最大級の動員を誇る夏フェスです。
一昨年は千葉、大阪で16万人分のチケットは完売。大阪会場だけでも二日間で6万人の入場者を動員。
昨年は大阪会場だけでも二日間で9万人の入場者を動員しております。
これだけ大規模なイベントが本市で行われることは、本市にとってラッキーなことであり、シティプロモーションを行える絶好のチャンスです。
また、大阪会場として、昨年までは舞洲で開催されていたサマソニが、このたび大阪関西万博開催を控え、会場の移転先として、本市万博公園に決定したこと、そして、大阪関西万博の閉幕後にも万博会場跡地周辺には統合型リゾートの整備等が予定されていることから、来年以降もサマソニが万博公園で開催されることが想定できます。
それだけでなく、大阪関西万博会場である夢洲に隣接している舞洲や咲洲では、サマソニ以外でも、関西最大級のイベントが過去から数多く開催されており、今後、これらのイベントを万博公園で開催しようという事業者も増加することになるでしょう。
先ほども述べさせていただきましたが、本市といたしましても、この絶好のチャンスをつかみにいくべきです。
本市が万博公園周辺地区を中心に、沿道にぎわいを創出するために、音楽イベント時には音楽の、スポーツイベント時にはスポーツの、本市に足を運んでいただいた方々が、行きも帰りも楽しめる沿道にぎわいの環境を整えるべきと考えます。このことについて、都市魅力部はどのようなご所見をお持ちでしょうか。
答(都市魅力部長):
サマーソニック2024をはじめとする大規模集客イベントが市内で開催されることにより、全国から多くの方々が来訪されることから、本市を知っていただける絶好の機会になるとともに、市内回遊の促進が期待されるものと認識しております。
大規模集客イベント時には、関係団体と連携し、情報発信に努めるとともに、大阪府の主催する日本万国博覧会記念公園関係団体連絡会において、それぞれのイベント内容に応じた沿道でのにぎわい創出を関係団体に求めてまいります。
また、大規模集客イベントが、万博記念公園を含め、市内で実施される際には、商業団体等によるイベントが市内の他の地域で開催されることも予想されることから、速やかな情報共有を図り、にぎわいの相乗効果につながるよう、商業団体等との連携を行ってまいりたいと考えております。
林:
ぜひともこのチャンスをつかんでいただくよう、よろしくお願いいたします。
問(林):
私は本市としても万博記念公園駅前活性化事業が順次進み、大規模アリーナが完成した時点での混雑対策や、沿道のにぎわいを創出するために、道路機能向上、そして、歩行空間と周辺道路の整備に取り組んでいくべきと考えます。このことについて土木部はどのようにご所見をお持ちでしょうか。
答(土木部長):
大規模アリーナが整備された際の万博記念公園周辺の混雑対策や交通対策につきましては、安全性や交通利便性の観点から懸念を抱いているところでございます。
今後、万博記念公園駅前周辺地区活性化事業が進められ、環境影響評価などにおいて事業者から示される安全対策につきましては、土木部としての意見の提示を行う中で、関係者と調整をしていきたいと考えております。
林:
しっかりと調整お願いいたします。
問(林):
これだけ多くの人たちが本市に来ていただける絶好のチャンスと考える反面、万博アリーナ完成後、アリーナ、スタジアム、万博公園でイベントが行われ、さらにEXPOCITYや大観覧車など万博記念公園地区の全利用者が、南海トラフ巨大地震による大災害に巻き込まれる最悪を想定してしまいます。この事態が起きれば、本市にとって最大のピンチです。
能登半島ではここ数年、大地震の予兆があり、今回の大地震による複合的な要素も重なったことにより大災害となり、想定を超えた大災害により、復旧活動の初動に遅れが生じております。
同じように、大地震による大災害の可能性も踏まえた万博記念公園地区の全利用者の命をお守りすべく、再度深く具体的対策を策定することが必要です。
非常事態対策があれば、平常時の混雑対策にもつながります。万博アリーナ整備は大阪府の事業だから吹田市には関係ありませんとならないよう、今後さらに発展する地区の大災害時の対策を策定した上で、新たなにぎわい創出をすることについて、都市計画部、都市魅力部、土木部、それぞれの担当部としてのご所見をお示しください。
また、3部の総合組織総合コントロールについて、辰谷副市長のご所見をお示しください。
答(都市計画部長):
万博記念公園駅前周辺地区においては、現在、EXPOCITYやすいたスタジアムの集客力の高い節があります。建築基準法には、建築物の安全性に関する構造規定や、防火避難規定を含む単体規定と、健全なまちづくりに関する用途規制や形態規制を含む集団規定があります。
これらの建築物にかかわらず、建築物を新築する際には、建築基準法の規定により、法適合を確認しています。
また、これらの建築物は、都市計画法により開発を許可しており、その審査項目の一つとして、予定建築物の用途、規模に応じた道路幅員が確保されているかを確認しています。
今後、計画されている万博記念公園駅前周辺地区活性化事業においても同様に、建築基準法の現行基準に基づき法適合を確認するとともに、都市計画法の開発許可において、防災上、通行の安全上、及び事業活動の効率上支障がない道路に接続されていることを確認することとなります。
答(都市魅力部長):
万博記念公園周辺地域が今後さらに広域的な文化スポーツ・レクリエーション機能の集積した魅力発信の拠点として発展するためには、関連団体間の連携及び協調が非常に重要であると考えており、大規模アリーナが建設された際には、非常事態への対応も含めて、大阪府主導で関連団体間の連携協調を図っていくよう求めてまいります。
答(土木部長):
現在、大地震による大災害の対策としまして、万博記念公園周辺に限らず、本市が管理をする緊急交通路等に位置する橋梁について、耐震化工事を進めているところです。
また、大規模アリーナ整備等による混雑時の安全対策につきましては、関係部局と連携し、検討していくものと考えております。
答(辰谷副市長):
大規模アリーナの建設につきましては、多くの解決すべき課題があると認識をしており、3部のみならず、市全体で取り組む必要があると考えております。
今後とも関係部署でしっかりと連携しながら、様々な対策を講じてまいります。
要望(林):
では、市全体ワンチームとなっていただき、本市としてのこの絶好のチャンスを余すことなくつかんでいただきますよう、よろしくお願いいたします。