特殊詐欺対策等について
問(林):
今、私たちの日常を脅かしているのは自然災害だけではありません。長年築いた財産が根こそぎ奪われる目に見えない大災害が、この吹田で猛威を振るっております。
昨年の特殊詐欺等の被害額は、全国で3,200億円を突破、大阪府内だけでも年間339億円。連日、約9,000万円もの府民の財産が犯罪グループへ流出している現状は、もはや市民の生活基盤を破壊する社会的な大惨事です。特に本市は、3年連続で被害件数府内ワースト1位という極めて深刻な事態にあります。本市の豊かさが、皮肉にも巧妙な犯罪者に狙い撃ちされているのです。
改正条例によるATM通話禁止や振込制限という堤防は築かれつつあります。しかし、この情報をいかに一人一人に届け財産を死守するか。本市には今、これ以上の延長線上ではない有事としての覚悟が問われていると考えます。
こうした強い危機感の下、本市の対策強化について質問いたします。令和5年の特殊詐欺集中対策本部設置以降、本市における被害件数や被害額、また手口の変化について、最新の動向をどう分析されているのか伺います。特に、他市と比較した際の本市の狙われやすさの要因を、どう捉えているのかお答えください。
答(市民部長):
令和7年(2025年)に本市で発生した特殊詐欺等の被害件数は154件、被害額は約4億5,000万円で、令和6年(2024年)と比べ被害件数が23件の増、被害額は約2億円の増となりました。手口の変化につきましては、被害が多かった還付金詐欺が減少傾向となりましたが、警察官等を語る詐欺や投資詐欺といったSNSを入り口とした被害が多く、高齢者だけではなく、若年層及び現役世代の被害が増加している状況です。
本市の狙われやすさにつきましては、交通の便がよい立地条件と、集合住宅が多く近所付き合いが希薄で孤立しやすい環境などが要因であると考えております。
問(林):
昨年施行された大阪府の条例により、ATMでの通話禁止が明文化されました。市内の金融機関やコンビニエンスストアにおいて、実効性のある声かけが行われるよう、本市としてどのような支援・指導を行っているか。また、未然防止に貢献した店舗への表彰制度などを通じ、地域全体で防犯意識を高める工夫はないかお示しください。
答(市民部長):
改正大阪府安全なまちづくり条例の施行に当たり、本市は広報活動に協力し、市内の公共施設へポスター及びチラシを配布いたしました。あわせて大阪府警との連携の下、被害防止のセミナーを開催し、参加者に改正条例の説明やチラシ配布を行いました。また、一部の金融機関とは、改正条例について情報交換を行っておりまして、令和8年度(2026年度)にはセミナーを行う予定となっております。
次に、未然防止の取組に対して表彰するといった制度は設けておりませんが、地域全体で防犯意識を高める工夫としましては、実効性のある協力が得られるように、市内のコンビニエンスストア各店舗を安心安全の都市(まち)づくりスポットとし、本市と吹田警察署が三位一体となり、犯罪防止に取り組んでいるところでございます。
問(林):
本市では自動録音機能付電話機の購入補助を行っていますが、その利用実績と、特に被害リスクの高い独居高齢者世帯への普及率をどう把握されていますか。情報の届かない層に対し、民間企業と連携し、戸別訪問に近い形で設置を促すアウトリーチ型の取組を強化すべきと考えますが、見解をお示しください。
答(市民部長):
防犯機能付電話機補助の利用実績は、令和5年(2023年)9月から令和8年(2026年)1月末までで2,162件でございます。独居高齢者世帯といった世帯構成の普及率につきましては、把握することが難しく、情報の届きにくい層に対する広報は、重要な課題と認識しております。被害が増大している状況を踏まえますと、市の取組だけでなく、民間企業とのアウトリーチ型の取組につきましても、連携の手法などを研究していく必要があると考えます。
問(林):
近年急増しているSNSを介した詐欺は、高齢者のみならず現役世代もターゲットとなっています。これまでの高齢者向け防犯の枠を超え、全世代を対象とした啓発、特にSNSのリテラシー向上に向けた施策の必要性について、本市の考えをお示しください。
答(市民部長):
全世帯を対象とした啓発の必要性は十分に認識しておりまして、本年2月号の市報すいたでは、SNSを介した詐欺への注意喚起を特集しました。スマートフォンで詐欺の手口を疑似体験できるツールのQRコードも紹介し、幅広い世代が被害防止への意識を高められるよう取り組んでおります。
また、市内大学に特殊詐欺被害防止を目的とした交番だよりの作成を依頼しており、啓発効果に加えて大学生が制作に携わる交番だよりを作成することにより、若年層にも特殊詐欺に対する意識を高めてらう機会になると考えております。
あわせて関西大学とは、令和8年度前期授業のサービスラーニングにおきまして、特殊詐欺被害防止の啓発や広報について、課題解決型学習を行っていただく予定としておりまして、若年層に対する啓発を強化してまいります。
また、地区公民館等に協力をお願いし、特殊詐欺被害防止の講座を行い、受講された方々に地域での被害防止の啓発など行う特殊詐欺被害防止サポーターとして活動していただくなど、検討しております。
今後は特殊詐欺被害防止の啓発については、参加型にすることで意識づけの強化を進めていきたいと考えております。
意見(林):
市民の財産を守り抜くため、格別の御尽力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
.png)