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市立吹田市民病院の経営状況について

問(林):

市立吹田市民病院の令和6年度業務実績評価についてお伺いします。

評価全体としては、つらね計画どおりとされ、とりわけ令和5年度にC評価であった財務内容改善が、令和6年度にはA評価とされたことは、表面的には改善が進んだかのように見えます。

しかし、実際の財務諸表を確認すると、その裏には依然として深刻な課題が横たわっているのではないかと考え、お尋ねいたします。

 

1点目、貸借対照表における長期借入金は136億7,874万1,961円に達しており、その全額を本市が貸し付けています。運営資金借入金については、本年9月末で返済終了予定とのことですが、残る建設改良資金借入金には、新病院建設工事費なども含まれています。

この巨額の公金貸付について、本市はどのような返済計画、回収見通しの下で管理しているのか、具体的にお示しください。

2点目、医業未収金は21億8,689万5,449円と多額に上ります。本市はその内容や性質を正確に把握しているのでしょうか。未収金の詳細な分析なくして病院経営の実態把握はできません。この点について、明確に御説明ください。

3点目、損益計算書では、当期総損失は4億4,268万6,402円と、令和5年度より縮小しているものの、依然赤字です。さらに深刻なのは純資産であり、令和5年度のマイナス1億3,760万5,122円から令和6年度にはマイナス5億3,852万9147円と悪化しています。

損失が縮小しているにもかかわらず、純資産が減少しているのはなぜか、具体的に御説明ください。

4点目、令和6年度末の資産は約203億円、負債は約208億円、業務活動によるキャッシュフローは約3億円のプラスですが、投資活動は、マイナス約1.7億円、財務活動はマイナス約8.9億円、有利子負債は長期借入金と移行前地方債償還債を合わせて約137億円に上り、繰越欠損金は約41億円です。すなわち、資産が負債を下回り、良好な財務状況とは言えず、多額の有利子負債と繰越欠損金が財務を圧迫し続ける現状です。

この件について、本市はどう直視し、どのような抜本的対策、対応を講じるのでしょうか。また、今回のA評価が実態を正しく反映していないのであれば、評価制度そのものが、身内に甘い形骸化したものになっているのではないでしょうか。本市の見解をお示しください。

 

5点目、令和5年度監査では、中期計画とは別に、長期的な収支計画、資金計画を策定し、経営の効率化や基盤の安定化を図るべきとの指摘がなされました。

今年度は第3期中期計画の4年目であり、現在は次期第4期計画の策定時期に当たります。第4期計画において、この監査指摘に対応した長期的視点での収支計画、資金計画を策定しているのか、昨年度も同趣旨で質問しており、その後の進捗を含め、現状をお示しください。

 

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答(健康医療部長):

市立吹田市民病院の経営状況につきまして、健康医療部からお答えいたします。

初めに、長期借入金につきましては、本市が起債を行い、同病院に貸付けを行っているもので、償還年数や金額は起債時に同病院との協議の下であらかじめ設定しており、計画どおりに償還を受けております。

 

次に、財務諸表に計上する医業未収金につきましては、年度末時点での未収金が対象となり、主に団体未収金、個人未収金に分類されます。これらが発生する要因といたしまして、団体未収金は、健康保険組合等の保険者へ請求した診療報酬が同病院へ支払われるまでに時間を要すること、個人未収金は主に入院患者の診療費発生と支払いの時期が異なるためでございます。これらの処理が年度をまたぐ場合に、医業未収金として計上されますが、翌年度には回収が見込める性質のものでございます。

また、納付が困難等の理由による未収金につきましては、同病院が策定しております医業未収金回収管理マニュアルに基づき、文書や電話による督促や分割納付等の対応を行っているとお聞きしております。

次に、純資産の減少につきましては、過年度の赤字額の累積となる繰越欠損金に当期分の資本剰余金と純損失額が積み上げられて算出されることによるものです。

次に、財務状況につきましては、昨今の物価高騰等の影響を受け、依然として厳しい状況にあることから、より効率的な収益確保の取組として、入院患者の確保による病床利用率の向上が重要であると考えております。

近隣医療機関との連携による紹介患者の確保などを一層進めるほか、その他の部門での収益の向上も含めた実効性のある取組を求めてまいります。

 

また、業務実績では、近隣病院も厳しい経営状況にある中で、入院患者数の確保や病床利用率に関する課題はあるものの、手術件数の増加や診療単価の向上の取組により、医業収益が前年度より改善している点を評価したものでございます。

最後に、同病院では、今後想定される医療機器の更新や大規模修繕等を考慮した長期的な視点で継続的な経営改善に取り組んでおります。

©2023 by 林 やすひろ│大阪維新の会 オフィシャルウェブサイト

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