住民サービス業としての自覚と、
接遇の質的向上について
問(林):
私自身、22歳で大学を卒業してからの10年間、自動車販売の現場で、あらゆる業種の皆様に車を届ける仕事に携わってきました。いいものだけを世界から、車はつくらない、車のある人生をつくっているという理念の下、そしてドイツ語でDas Beste oder nichts、日本語訳で最善か無かというスローガンを掲げる車を扱う仕事をしてまいりました。厳しい競争環境にある民間企業で培った経験が私の仕事の原点であり、議員報酬に報いるため、日々の活動に全力を注いでおります。
その過程で職員の皆さん、市民の皆さんから様々な声を聞く中で、現在の本市組織体制や風土について、市民感覚とのずれを感じる場面が多々ございます。本日は、その点も踏まえて質問させていただきます。
まず、基本的な話として伺います。自治体の行政職員とはそもそもどういう仕事を担う存在でしょうか。
答(総務部長):
地方自治体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担っており、その職員は全体の奉仕者として公共の利益のために職務を遂行する者でございます。
問(林):
私は、「創ろう共に 吹田の未来」をスローガンに掲げ、議員として働いております。では、現在、本市が掲げている公式のスローガンは何でしょうか。
答(行政経営部長):
本市におきましては、総合計画の基本構想におきまして、目指すべき市の将来像をお示しいたしております。第4次総合計画におきましては、スローガンとして用いる短いフレーズでの表現はしてございませんが、基本構想の文章中に織り込む形で、誰もが安心して健やかで快適に暮らし続けられるまちを目指すということをお示しいたしております。
問(林):
後藤市長御自身のスローガンは何でしょうか。
答(市長):
ただいまの御質問の中で、最善か無かという、非常に分かりやすいスローガンらしいスローガンを今頂きましたけど、それをお聞きしていて今考えてたんですけれども、じゃあ公務ではどうなのかというときに、私の感覚ですけれども、最善と無の間にこそベターアンサーがあるというのが公務であるというふうに考えていることが今分かりました。
また、スローガンとしてですけれども、これはほかでもお話ししているんですけれども、そのスローガンの一つ、スローガンというか考え方の一つとして、効率的な経営は効果的な経営を阻害するという言葉、これを大切にしているところです。
問(林):
御披露いただきありがとうございます。先ほど、最善か無かの件についても触れていただいたと思うんですけれども、私も市長おっしゃるとおり、この最善か無かというのはゼロ、100ということかと思いますので、民間と行政とというところでいうと、感覚的に違ったところはあるだろうなと感じておりますので、そのことだけをお伝えさせていただきます。
次に参ります。市長は、新年度に入庁する新卒職員に対して、近年、毎年講話をされていると仄聞しております。今年度はどのようなお話をされたのでしょうか。
答(総務部長):
本年4月1日の発令式におきましては、市長から、「吹田市役所という組織で公務に就くとは」をテーマに、組織で働く上での基本的な心構えや、利他的であるべきという公務員の使命、どう生きたいかという視点からの公務員に求められる高いモラルや人格、キャリアの形成についてなど、本市の職員として働くに当たって大切なことについて、著名な人の言葉や自身の経験なども交えながら、新規採用職員へ向けた講話を行いました。
問(林):
お示しいただいた内容は、新卒だけでなく、全職員が共有すべき基本姿勢だと考えます。市長は、45年前に吹田市へ入庁され、水道部を中心に多様な部署で役職を務め、土木部長にまでなられた。長年の行政経験を生かして市長に就任されたことは存じ上げておりますが、政治家としてのリーダーシップは、行政間のそれとは異なると考えます。68年の人生のうち、半分以上を行政畑で過ごされ、長きにわたり行政の最前線で指揮を執ってこられた御経験には深く敬意を表します。
そこで伺います。副市長以下部長職を含む全職員に対して、市長としてどのような姿勢で仕事に向き合うべきだと考えておられるのか、本市のトップとして職員にどのような姿勢を求めておられるのか、改めて市長の言葉でお聞かせください。
答(市長):
私ごときの立場で、人に生き方の訓示を与えるような、とてもそういうものではございません。その上で、私自身大切にしている考え方をお答えしたいと思うんですけれども、自分自身や愛する人を幸せにできない人に、果たして市民を幸せにできるのかという考えに共感をしているところでございます。大切にしている言葉でございます。
問(林):
すばらしいお話をありがとうございます。私自身、これからの行政には、今までにも増して、民間の感覚が極めて重要だと考えております。これは党派の立場から申し上げているのではありません。なぜそのような考えに至ったのか理由は明確です。
今の吹田市、そして日本全体は、多様化という言葉が独り歩きし、もはや従来の行政の縦割りでは到底対応し切れないほど市民ニーズが複雑かつ細分化しております。言い換えてみれば、行政職員には、もはや行政マンという従来の枠組みを超え、サービス業としての姿勢が求められているということであります。今回の私の質問に住民サービス業という題をつけたのも、まさにその認識があるからであります。
市長は長年の行政経験を積まれてこられ、行政運営そのものについては熟知しておられると理解しております。しかし、現在の市民感覚に照らしてみれば、本市職員の聞かれたことには答えるが、聞かれない限り説明しない、また、担当ではないから答えられないという行政対応は、残念ながら親身さに欠ける対応だと受け止められているケースがございます。実際に私の下に、聞かないと答えてくれない、こちらが質問しない限り説明がない、担当ではないので答えられませんと、本市職員が市民へ答えた返答について、市民の皆様から厳しい御意見や切実な声が多数寄せられております。
確かに職員の立場からすれば、余計な一言が組織の負担を増やすことにつながるかもしれません。しかし、その委縮した姿勢のままでは、市民満足度が向上するはずがありません。本来であればワンストップで適正な部署へつなげる、知らないなら調べて回答するといった庁内横連携や、過去の担当に確認し、時間を頂いた上で回答するということだけでいいわけであります。業務の伝承、温故知新という言葉がありますが、本市が積み上げてきた業務の経過と、市民が行政を頼りにしてきた記憶のギャップを埋める作業を行わないといけないと考えます。
多様化といった言葉が独り歩きし、様々な方々に対応することを民間企業にとどまらず、行政が担わなくなった今の時代だからこそ、吹田市は変わるべきです。市民の側に立ち、必要なことは先に伝える、適切なタイミングで求められたことに正しく対応する、これこそ行政に必須の姿勢であり、私は民間経験でたたき込まれたサービスの基本だと考えております。
長い話となりましたが、以上の点について、市役所職員全員への訓示の趣旨として、市長の明確な御見解をお示しください。
答(市長):
我が国には、約400万社の企業があります。そして、その経営それぞれに理念、文化、風土があり、企業ではと一般化することはできません。同時に、1,741自治体をくくって、行政はということも同様です。しかし、それぞれの環境において、社員、職員が人として有すべき倫理やモラルに違いはないと考えます。それは、仕事に向き合う、顧客・市民に向き合う姿勢においても同じです。加えていいますと、消費者・市民が、社員・職員に向き合う姿勢についても厳しいモラルが求められます。これは今、カスタマーハラスメントとして議論が整理をされている最中ですけれども、それも付け加えさせていただきます。
私は、先ほど言いましたように、他人に訓示を垂れるほどの人物ではありません。ただ、あえて職員に言わせていただくなら、企業にも行政にも、そして一人一人にも特徴があり、欠点があり、互いを批判したくなるのは自身を是としてのこと。あなたに本当に他者を批判する資格があるのか、それを深く考えつつ、人として成長してもらいたい、そのように思っております。
問(林):
ありがとうございます。本当に思いのあふれた御答弁だったかと思いました、ありがとうございます。
副市長以下、この場におられる部長、さらには以下役職者にとどまらず、議会中継をお聞きになられている本市の優秀な職員の皆様方におかれましては、今の後藤市長の御答弁に恥じぬよう、行政マンという枠組みにとどまらず、住民サービス業として仕事へ取り組んでいただきますことを、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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