水道・下水道の危機管理について
問(林):
現在、本市では上下水道の管路の老朽化が問題となっております。
また、年始に起こった能登半島地震による大災害で、上下水道の管路復旧について課題となっていることは周知の事実です。
本市は現在、水道、下水道の管路保全事業として、強靱化や雨水レベルアップ事業等を行っておられるかと思いますが、それぞれどの程度大規模な自然災害が発生した場合に対応できる対策を行っているのでしょうか。
答(水道部長):
水道部におきましては、施設管理の整備を行う際には、地震、風水害のうち、本市水道施設への影響が最も大きいと予測される上町断層帯地震で発生する震度7を想定し、浄水場、配水池、並びに水道管の更新、耐震化を進めております。
答(下水道部長):
下水道管路の地震対策につきましては、優先度が高い重要な幹線等を対象として、阪神・淡路大震災で起こりました内陸直下型地震のような大きな強度を持つ地震動に対して耐震診断を行い、下水の流下機能を確保する性能と、交通機能を阻害しない性能を確認し、対策が必要な箇所について耐震化工事を実施しております。次に、浸水対策につきましては、10年に1度の確率で発生すると予測される1時間当たり約50㎜の降雨に対応するため、雨水レベルアップ整備事業のほか、市内各所において雨水管の整備を実施しております。
問(林):
ちなみにこの対策について、現在、それぞれ市内全域どれだけ対応できているのでしょうか。
答(水道部長):
これまでに予定しておりました浄水所、配水池の耐震化は既に終了し、現在では管路を中心とした耐震化を進めており、基幹管路で年間約2km、配水支管で年間8km以上の耐震管による更新を実施しております。
その結果、令和4年度(2022年度)末におきましては、基幹管路の耐震適合率は55.0%でございます。
答(下水道部):
下水道管路の重要な幹線等の耐震化率につきましては、令和4年度(2022年度)末時点で、約20%でございます。
次に、雨水排水施設の整備率につきましては、同じく令和4年度末時点で約54.1%でございます。
問(林):
それぞれ市内全域を終えるまで長い道のりかと思いますが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
災害時には給排水管設備が破損している可能性があり、トイレを使用することは避けるべきで、特にマンションなどの共同住宅では、地震によって排水管が損傷しやすいため、地震発生直後にトイレを流すのはNGとされています。
本市にはマンションなどの共同住宅がたくさんあり、その排水管や下水管が破損するような大災害が発生したときの対応として、どういった対策を準備されているのでしょうか。
また、断水時の対策については、市民にどのように広報されているのでしょうか。
このことについては下水道部、水道部に加え、危機管理室の御所見もお願いいたします。
答(下水道部長):
地震などの災害時には、下水道BCPに基づき、速やかに下水道管路の点検調査を行い、破損状況に応じて流下機能を確保する必要があります。
下水道管が破損している場合は、市民に対して、トイレや台所など排水設備の使用を控えていただくことや、下水道管路の復旧状況について、市ホームページ、SNSや、広報車により情報発信を行ってまいります。
答(水道部長):
本市では、災害発生時の断水に備え、厚生労働省が推奨する一人1日3ℓの飲料水を最低三日分、9ℓ以上の備蓄をホームページや訓練時において積極的にPRしているところでございます。
答(危機管理監):
奥能登地域では、今も広範囲で断水が続いており、被災された方の多くは、いまだ仮設トイレを使用されております。
マナーや汚物の保管面などに課題も多く、被災者の健康被害に大きく影響することから、継続的な衛生環境の確保や、様々な形態のトイレ確保の必要性などについて、被災地において危機管理室職員が確認してきたところでございます。
現在、本市では、災害時におけるトイレ対策として、吹田市備蓄計画に基づき、屋内、屋外用の組立型の簡易トイレや、携帯トイレの避難所等への備蓄を進めるほか、防災出前講座や防災ブックなどにおいて、携帯トイレなど、家庭における備蓄の意義や必要性について、市民の方々への啓発活動に取り組んでおります。
建物が倒壊しなければ、トイレの便器が使える状態の場合も多く、使い慣れた場所で安心してトイレができることから、引き続き家庭備蓄の推奨を行うとともに、発災後におけるトイレの衛生的な環境が保たれるよう啓発に努めてまいります。
意見(林):
実際の対応は、大災害が起こってからしかできませんが、起こる前に、市民の皆様が最大限の備えをすることができるよう、引き続き様々な方法で周知徹底をよろしくお願いいたします。